彼等は高く球を空中に擲つ。 ちょっと厄介な癖であるが、なぜこんな事を根気よく続けているのか吾等猫などには到底想像もつかん。 早く甘木君が来てくれれば善いがと思って時計を見るともう三時だ。 黒は尻尾を立てたぎり挨拶もしない。 はあ、そうですかとこれも訳の分らぬ挨拶をする。 敬服の至りですと云って御別れしたようなものの実は午飯の時刻が延びたので大変空腹になって弱りましたよそれは御迷惑でしたろうと主人は始めて同情を表する。 少し眼識のあるものなら、猫の中でも他の猫じゃない吾輩である事が判然とわかるように立派に描いてある。 二時頃には御帰りになりますから、帰り次第すぐ上げますと云う返事である。 いつものように砂糖を分配してくれるものがないので、大きい方がやがて壺の中から一匙の砂糖をすくい出して自分の皿の上へあけた。 飛び込んだ後は気が遠くなって、しばらくは夢中でした。 この水の下だなと思いながら私はとうとう欄干の上に乗りましたよ。 全体何というものですかあれ？　あれは何とかってものよ。 それに見て来たようになめくじのソップの御話や蛙のシチュの形容をなさるものですからそりゃ誰かに聞いたんでしょう、うそをつく事はなかなか名人ですからねどうもそうのようでと花瓶の水仙を眺める。 第二読本と主人は落ちつきはらって答える。